ご利用のブラウザは非推奨となります。

お客様がご利用のInternet Explorer は非推奨ブラウザのため
レイアウトの崩れや正常に操作できない場合があります。
Google Chrome、Edge、Firefoxでの閲覧を推奨しております。

BLOG ブログ

働く人々のイラスト
株式会社アストコ > ブログ > 自分の中の『うつスイッチ』を確認してみましょう ~うつ/精神障害と上手につき合う方法~
2017年06月23日

自分の中の『うつスイッチ』を確認してみましょう ~うつ/精神障害と上手につき合う方法~

自分の中の『うつスイッチ』はどこ?

みなさんは、ご自身のうつ症状が現れる時期、またはきっかけは把握されていますか?

うつ症状が現れる時期・きっかけのことを俗に『うつスイッチ』と呼ぶことがあります。

例えば、季節、天気、一日の気温差、心理的な“心のスキマ”ができたとき、物理的な“ふとした間(時間)”ができたときなどが、『うつスイッチ』となることがあると思います。

うつの病歴が短期若しくは渦中(急性期)においては、なかなか把握することが難しい状況かと思いますが、本コラムをご覧いただいているみなさんですと、ご自身のうつ症状が現れる時期・きっかけについて考えることはそう難しくはないのではないかと思います。

本コラムでは、日々の支援の中で出会ってきた、ご自身の障害”うつ”と向き合い、上手につき合っている方々の例(エピソード)をご紹介してまいります。

自分の状態をコントロールするための方法の例として、参考にしていただければと思います。

■Aさんの例 その日の”事実”と”気持ち/体調”を記録する

その日の天気や気温(差)など自分を取り巻く環境や、その日起きた出来事や周りの状況などの客観的な”事実”と、その”事実”によって自分がどんな気持ち/体調になったか(或いはその日はどんな気持ち/体調だったか)、ということを継続的に日々記録していくことで、事実と気持ちや体調の相関関係を見出します。

私の場合は、季節の変わり目や天気といった単純なものではなく、日中の気温差が症状を誘発させるトリガーになっていることが分かりましたので、事前の天気予報から体調の波をある程度予測し、必要に応じて業務内容や量を調整するといった工夫を行っています。

――――――――――――――――

Aさんのエピソードはいかがでしたか?

ここでのポイントは、事実と事実によって引き起こされた気持ちや体調を日々記録するという点です。

一日だけだったり、気が向いた時にだけたまにだったりだと、事実と気持ち/体調の相関関係の正確性や根拠が薄れ、適切な対処ができなくなります。

Aさんのように日々記録をとり、自分を客観的、分析的に見つめてみることも、ご自身の障害と上手く付き合っていくのに有効な方法ではないでしょうか。

今後の就労に向けて、是非参考にしてみてください。

次回はBさんのエピソードをご紹介いたします。

■Bさんの例 毎朝自分に「肯定的自己暗示」を行う

朝の起きぬけはどうしても、潜在意識が優位に働きます。

例えば、「今日は会社で面倒な会議があるからイヤだなぁ。休みたいなぁ」といった類の感情(意識)が、他の時間帯よりも強く出てきます。

一日のスタートからこのような後ろ向きで否定的な思考では、一日がうまくいくはずがないですよね。

では、潜在意識に負けないためにはどうすればいいのかというと、朝起きぬけのときに、意識的に前向き且つ肯定的な言葉を自分に伝えるのです。

「会議での議論は自分を成長させるチャンスだ。会議といってもたった30分間だし、サクッと乗り切ろう」といった具合です。

前向き且つ肯定的に一日のスタートが切れることで、その日一日を明るく前向きに過ごすことができるようになりす。

このように毎朝「肯定的自己暗示」を習慣化することで、3ヶ月くらい経ったときには、うつの症状自体がほとんど現れにくくなりました。

――――――――――――――――

Bさんのエピソードはいかがでしたか?

ポイントとしては、起きぬけは潜在意識が優位になりやすいので、意識を顕在化するために「自分を褒める/肯定する」ということです。

このような「肯定的自己暗示」のことを心理学では「アファーメーション」という言葉で表現されています。

本コラム著者の好きな名言にマザーテレサが残した以下の言葉があります。

思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

この言葉からも、日頃の思考(意識)が日々の生活を好転させるのか暗転させるのかという”本質”に、大きく関わっていると言えるのではないでしょうか。

日々の思考パターンを少しだけ変えてみるのも、うつの症状改善には有効かもしれませんね。

■Cさんの例 ”心のスキマ”をつくらない

私の場合、『うつスイッチ』は「自分のもつエネルギーが”心のスキマ”に集中すること」です。

ひとり自室で時間をもて余し、ふと心にスキマができたときに、言い知れない強い孤独感を感じてしまい、そこからうつ症状が悪化(=うつスイッチОN)します。

そこで、そのエネルギーが心のスキマに向かわないように、エネルギーを違う物事に向けるよう工夫しています。

例えば、プラモデルを作ったり、ピースの多いパズルに取り組んだりなどです。

これらに取り組んでいる間は、没頭しエネルギーを全て注力できているので、気持ちの落ち込みもありません。

また完成した時には、達成感を味わえます。

友人、知人から褒めてもらえた時には、達成感もひとしおです。

同じように、心にスキマをつくらないとい方法として、他には、友人と食事にいく機会を多くもつようにもしています。

気の置けない仲の良い友人と美味しい食事に舌鼓しながら、他愛のないお話をしているときは、心のスキマができないどころか、日々の生活やこれからの自分をよりポジティブに捉えることができる、とても有意義な時間になっています。

―――――――――――――――

Cさんのエピソードいかがでしたか?

ここでのポイントとしては、心のスキマをつくならないということです。

日常生活の中で、心にスキマができた瞬間に、ふと、考えても仕方がない、そもそも答えがないような物事について漠然と思いを馳せる…という場面は誰しもあるかと思います。

しかし、その思考のドツボにハマり、そのことに固執し過ぎてしまっては、出口のない迷路を彷徨うかたちとなり、あまり建設的ではないかもしれませんね。

それよりは、他の物事にエネルギーを向けて、マインドシェア(心の中に占める思考の割合)を割いた方が、有意義と言えそうです。

みなさんの現在のマインドシェアはどのような状態ですか?心の中で大きな部分を占めているのは、どんなことですか?

本コラムを機に、自分のマインドシェアの状態を考えてみていただければと思います。