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「ここ最近、夜、よく眠れなくて…」。
Aさん(20代)と面談中の一コマです。
こののような相談を受けると、反射的に『寝不足(=寝ている時間が短い)→何らかの精神的負荷がかかっている?』と連想するのではないのでしょうか。しかし、話を掘り下げて丁寧に訊いてみると、「夜、眠れない」というだけではなく、「朝、起きられない」という状態もセットとなっていたのです。
つまりは、睡眠の時間が後ろにずれてしまっているだけで、睡眠は取れているのです。
このような睡眠自体は取れていて、睡眠時間帯(睡眠相)がズレている場合、「概日リズム睡眠障害」と診断を受けることがあります。概日リズム睡眠障害の中でも、Aさんのように、夜、寝つけなくて、朝、起きられない症状のことを「睡眠相後退症候群」と呼ばれます。概日リズム睡眠障害(睡眠相後退症候群)の原因としては、深夜までTVを観ていたり、PCやゲームをしたりしていることなどが考えられます。
中でも最近よく聞くのは、“寝ながらスマホ”です。
「眠れないから眠れるまでの間、少しだけ…」のつもりが、結果として、概日リズム睡眠障害(睡眠相後退症候群)を引き起こしてしまっているのです。加えて、スマホ(PC)の画面からは、ブルーライトという刺激の強い光が出ています。
このブルーライトは睡眠に悪影響を及ぼすものとされています。寝ようとしているときに、スマホの内容(情報)とスマホから出るブルーライトの相乗効果により活動的な神経(交感神経)が優位になるため、“スマホをする”という行為は、睡眠を遠ざける行為と言えます。「眠れないからスマホをする」のではなく、「スマホをするから眠れない」のです。
このような睡眠相後退症候群による概日リズム睡眠障害は10や20代といった若年層に多いと言われています。
概日リズム睡眠障害(睡眠相後退症候群)の改善及び予防策としては、日中の睡眠(昼寝)を避けるとともに、朝の起床時刻を一定にして早寝早起きを心がけることが大切と言えるでしょう。
そのためのポイントとしては、朝起きなければいけない必然性があることや、逆に、日中熟睡できるほどの時間的余裕(ヒマ)をもて余さないようにすることがポイントとなりそうですね。
みなさんは、大丈夫ですか?