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働く人々のイラスト
株式会社アストコ > ブログ > 仕事上でのストレス評価尺度
2017年11月01日

仕事上でのストレス評価尺度

~カラセックの仕事の要求度―コントロールモデル~

みなさんは、求人票をご覧になる上で、まず何を確認しますか?
就業場所、企業名、賃金、就業時間、求人条件特記事項…人それぞれで、確認する項目の優先順位、ポイントは異なると思います。一般就労を目指して、本コラムをご覧になっている方々の多くは、職場の上司や同僚など、周りから自分を認めてもらいながら、自分らしく末永く働いていきたいというお考えの方が多いことと思います。

しかし、相手の準拠枠(判断の枠組み)を尊重し過ぎてしまったり、ご自身の性分として、完璧主義(〇〇すべきという考え方)の“ドツボ”にハマってしまったりすることで、結果的に過集中(集中しすぎて周りが見えなくなる、集中が切れると疲れが来て不調をきたす)、オーバーワークとなり、心身ともに疲弊してしまい退職を余儀なくされるケースも少なくありません。

ここで、職業ストレスが健康にいかに影響を与えるかという関係性を明確に示したカラセック(※)のストレスモデルをご紹介します。このモデルは、労働時間・仕事量・仕事に要求される緊張度や集中度などの「仕事の要求度」と、仕事をする上での自由な意思決定の度合い、コントロール度などの程度を示す「仕事の裁量度」で、仕事上のストレスを評価するというものです。(図表参照)

カラセック.jpg

具体的な例といたしましては、仕事の要求度の場合ですと、長時間労働、正確性、スピード性、定量(定性)目標(売上目標●●円など)などが挙げられます。一方、仕事の裁量度の場合ですと、「目標達成までのプロセス(アクションプラン)を自分で決められる」 ある程度のリソース(資源)を自由に活用できる」などが挙げられます。このモデルによりますと、「仕事の裁量度が下がるほど」かつ「仕事の要求度が上がるほど」、ストレスが増加していくとされています。

この中で、最も高ストレスとなるのが、右上エリアの「要求度が高く、裁量度が低い」仕事です。つまりは、仕事のハードルは高いが、自分の思い通りに仕事ができないという状況が一番悲惨なストレス状態となるのです。恒常的にこの状況下に置かれていると心身の健康状態にも支障をきたす確率が高くなると考えられます。

例えばAさんは月に100社の営業を任せられていますが、訪問企業、訪問日、時間はすべて会社から指定され休憩時間等についても上司に報告するよう指示されている。
もう一人のBさんは月に100社の営業を任せられているが、帆門企業、訪問日、時間はBさんが決めてよく、報告も結果のみでよい。

実際に100社の営業を行うことは同じでも多くの方がAさんの方がストレスを感じやすいと想像するかと思います。

みなさんに一番お伝えしたいことといたしましては、“求人票の仕事内容や雇用形態、賃金などを欲張り過ぎてしまうと、それに比例するように要求度も増していく”ということです。この点は、たとえオープン求人であろうとも、一般的に考えて必然です。

このミスマッチを防ぐポイントとしましては、
① 「仕事の要求度」に対する自分の業務適性及びスキル感の確認
② 仕事の要求度に対する仕事の裁量度の確認
上記二点がポイントとなってきます。

障害者差別解消法に示されています“合理的配慮”の観点かすると、長時間労働をせざるを得ない場合には、極力社員の裁量度を上げるなど企業側の配慮も当然求められますが、みなさんの方でも今一度、仕事の要求度と仕事の裁量度から生じるストレス並びにモチベーションにも留意しながら天職を探していくことが大切と言えそうです。

ブライトでは、「そもそも、働くとはなにか」といった本質的な部分から、具体的な求人票の見方など、幅広くプログラムを展開しております。ぜひ一緒にご自分に合った天職を目指していきましょう!

※カラセック(karasek)スウェーデンの心理学者。「仕事の要求度―コントロールモデル」は1979年にリリース。